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2009.01.07
涙が出るわけ
例えば鼻を打撲すると涙が出る?なんでや?という話だがこれはすでに分かっている。我々もこの現象のメカニズムの一部を以前J Neuroscienceという雑誌に発表した。この時は目(角膜)に痛み刺激を加えた時の涙の流出が、脳のある部分(三叉神経脊髄路核尾側亜核)の侵害受容ニューロンの興奮に関係しているという話だった。
結論から言えば、これは三叉神経ー副交感神経reflexという回路である。例えば舌に痛み刺激を加えたりしても起こる(涙が出る)。
(←クリックで拡大可能)
これは2004年Cephalagia24.206-にDr Messlingerらのグループも発表している。ラットの鼻の中にカプサイシンを注入し涙の量を計測している。
顔面や頭部の痛み刺激は三叉神経脊髄路核尾側亜核に入力される。この領域は脳幹にあるSuperior Salivatory Nucleus(上唾液核)というところに投射する。この上唾液核からの繊維はpterygopalatine ganglionを介して、涙腺に入力する。よって顔が痛いと涙が出るのである。
最近、光刺激で涙が出るのか否か?を調べていたが、これといった報告が見当たらない。これまで分かっている事は(1)光が目に入ると目の血流が増加する(これは分かっている)。(2)目の血流を増加させるのは前述のpterygopalatine ganglionを介した副交感神経系の活性による。
以下の論文は東北大学歯学部のグループの発表。IOVS、38.2476.1997。
(←クリックで拡大可能)
実験は角膜に痛み刺激を加えた時、出て来る涙の量が涙腺の血流増加と相関しているのか否か?というものだ。
角膜に電気刺激を加える。すると強度依存性に涙の量が増えるらしい。
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同時に涙腺の血流も計っているようだが、やはり刺激に応じて血流も増加しているようだ。
例えば自律神経節のブロッカーを全身投与しておいて(つまり涙の流出や涙腺の血流に関係するpterygopalatine ganglionの機能をブロックする)、角膜に疼痛刺激を加えた時の涙腺の血流を観察している。
(←クリックで拡大可能)
結果はこの上図が示すように血流(open colum)も涙の量(斜線)もこの薬によって低下した。ということで角膜への痛み刺激によって涙腺の血流と涙は増加するがそれらは自律神経系によって制御されている。という結論になる。
この論文は10年以上前に発表されている。このグループの研究を追跡したがかなり進展しているようだ。若干、疼痛への各種薬剤の影響という観点が弱い気もするが、おもしろい。
ということで『涙腺の血流が増えれば涙の流出に関係する副交感神経節を興奮させ涙も増える。』
『強い光が目に入れば涙腺の血流を制御する副交感神経節を興奮させ、眼球の血流を増加させることも分かっている。』となると『強い光が目に入れば涙が出るはずだ!』
静かに納得したひととき。今日の”一人抄読会”でした。
結論から言えば、これは三叉神経ー副交感神経reflexという回路である。例えば舌に痛み刺激を加えたりしても起こる(涙が出る)。
(←クリックで拡大可能)これは2004年Cephalagia24.206-にDr Messlingerらのグループも発表している。ラットの鼻の中にカプサイシンを注入し涙の量を計測している。
顔面や頭部の痛み刺激は三叉神経脊髄路核尾側亜核に入力される。この領域は脳幹にあるSuperior Salivatory Nucleus(上唾液核)というところに投射する。この上唾液核からの繊維はpterygopalatine ganglionを介して、涙腺に入力する。よって顔が痛いと涙が出るのである。
最近、光刺激で涙が出るのか否か?を調べていたが、これといった報告が見当たらない。これまで分かっている事は(1)光が目に入ると目の血流が増加する(これは分かっている)。(2)目の血流を増加させるのは前述のpterygopalatine ganglionを介した副交感神経系の活性による。
以下の論文は東北大学歯学部のグループの発表。IOVS、38.2476.1997。
(←クリックで拡大可能)実験は角膜に痛み刺激を加えた時、出て来る涙の量が涙腺の血流増加と相関しているのか否か?というものだ。
角膜に電気刺激を加える。すると強度依存性に涙の量が増えるらしい。
(←クリックで拡大可能)同時に涙腺の血流も計っているようだが、やはり刺激に応じて血流も増加しているようだ。
例えば自律神経節のブロッカーを全身投与しておいて(つまり涙の流出や涙腺の血流に関係するpterygopalatine ganglionの機能をブロックする)、角膜に疼痛刺激を加えた時の涙腺の血流を観察している。
(←クリックで拡大可能)結果はこの上図が示すように血流(open colum)も涙の量(斜線)もこの薬によって低下した。ということで角膜への痛み刺激によって涙腺の血流と涙は増加するがそれらは自律神経系によって制御されている。という結論になる。
この論文は10年以上前に発表されている。このグループの研究を追跡したがかなり進展しているようだ。若干、疼痛への各種薬剤の影響という観点が弱い気もするが、おもしろい。
ということで『涙腺の血流が増えれば涙の流出に関係する副交感神経節を興奮させ涙も増える。』
『強い光が目に入れば涙腺の血流を制御する副交感神経節を興奮させ、眼球の血流を増加させることも分かっている。』となると『強い光が目に入れば涙が出るはずだ!』
静かに納得したひととき。今日の”一人抄読会”でした。
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